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オリジナル小説 SAVIOR-セイバー 1章 プロローグ

(* ^ー゚)ノコンニチハ レンハイムです

C80で配布予定だったぺラ本の内容です。

C82(2012年夏コミ)で配布予定の当サークル完全オリジナル長編小説の第1章のプロローグ全文になります。

何事もなければおそらくこれ丸々がそのまま本に載るでしょう。

ジャンルは・・・、ファンタジー? バトル? 自分でも良く分かりません。

第1章自体はすでに半分は書けていて、後は残りの半分と全部の加筆修正を行ったら完成という感じですね。

おそらくこのプロローグだけでは全ての設定が分からないと思いますがそれは仕様です。プロローグですから!

このプロローグで大体どのようなものなのかを感じて頂ければ幸いです。 それではどうぞお楽しみ下さい。

    プロローグ   セイバー零



テレビから音が流れる。
「都内で多発している連続通り魔事件の被害者がまた出てしまいました。これで被害者は8人となりました。それでは中継です」
どうやらまた例の通り魔事件の被害者が出たそうだ。
「こちら新宿駅から15分程歩いたところにあります事件が起きた路地の前まで来ております。今までの犯行と同じように被害者には刀傷があり、それが原因で死亡したとのことです。警察は23区とその周辺の市に注意を呼び掛けており、さらに警戒を厳重なものにするとされています」
この連続通り魔事件の内容をかるく説明すると、致命傷は全て刀傷であり、被害者の関連性は皆無。さらにめんどくさいことに刀というあまりにも目立ちすぎる凶器を使いながら未だに目撃者0という現状。
これはもう異常だ。普通に考えればな。だがこれをやってのける簡単な方法がある。
今、世界中でかなり普及してきた新感覚ゲーム機と言ったらいいのか、神谷コーポレーションが販売しているRDS(レジェンド データ システム)というのがある。
こいつはRDS同士で仮想空間を作りそこでレジェンドと言われている宝石みたいにキラキラ光ってる石のようなまたはプラスチックのような素材でできているデータの塊をRDSに組み込んで、その組み込んだレジェンドの能力を使って実際に動いて闘うというゲームだ。
そんな画期的なゲーム機もやはりハッカーの餌食になったわけで。しかもそのハッカー達はとんでもない物を作っちゃったわけで。
それが今回の通り魔事件に使われた違法ツールだと思う。ていうかあれ使わないとあんな事件起こせないぞ普通。
普通のRDSはRBSS(リアルバトルシミュレーションシステム)を採用しているのだが、これはまああれだ、仮想空間で闘っているわけだから傷付いてもゲームが終われば元通りになる、というやつ。そしてハッカーが作っちゃった違法ツールはRBS(リアルバトルシステム)というもので、ようは現実世界で闘っちゃうという超危険なシステムだ。どんだけ危険かというと。RBSで負けた者は文字通り死を意味する。そして勝っても怪我は元に戻らないし、ようは本当の殺し合いになってしまうというわけだ。
そんな危険なツールを使っておそらく通り魔は殺しを続けているのだろう。だが、それが本当だとするとこいつはかなりやばい。
何がやばいって、RBSを発動させると正規のRDSを持っているやつも強制的にRBSに移行されてしまう。
だからRBSを発動されてもそれに抵抗することができるわけだが、この通り魔は一度も負けていない。
それだけでなく傷を一度たりとも負っていない。なぜなら傷付くと現場に血が残るだろう? これは明らかに異常だ。この通り魔は強すぎる。
「そしてこんな化物みたいに強い異常者が徘徊してる都内にこれから行かなくちゃいけないとはな・・・」
これから俺こと峰 龍二は俺の彼女、工藤 春菜と遊園地でデートをする予定だ。
「なんで春菜のやつはこんな御時世にとしまえんなんか行きたいって言いだすかなぁ」
と溜息ついでに愚痴をこぼす。
「んじゃま、あいつを待たせる訳にはいかないからさっさと行くかな」
そうして俺はとしまえんに向けて出発した。



そして無事にとしまえんに到着。今日は土曜日のはずだが通り魔事件のせいか人が少ないように思えた。
「9時40分か。待ち合わせの時間より20分早く着いたな」
そして待ち合わせ場所が視界に入ったが・・・
「はぁ?!」
思わずそんな声を上げてしまった。
そこにいたのは、黒色のストレートヘアーで優しげな瞳、そしてその耳にはピンク色の縁あり眼鏡がかけられていて、顔立ちも良く美少女と呼ぶに相応しいレベルであるスレンダーな女の子であった。ただし、欠点を一つ言うなら胸が残念であるということだが。
そしてその美少女がこちらに気付いた。
「あ! 龍二君! おはよう、早かったね」
と言って元気良く手を振りながらこっちへ駆けてきた。
今日の春菜の服装は水色と白の明るいワンピースだ。
「おはよう、春菜。てかあれだ、待ち合わせ時間より早く来た俺よりさらに早く来ているおまえはいったい何なんだ?」
「えへへ、そうだね。何て言うのかなぁ。待ち切れなかったんだよね、たぶん」
と優しく微笑む。
まったくいい笑顔だ。通り魔のことばっかり考えている俺が馬鹿みたいだ。
それにしても学校と外では印象がまるで違う。
「やっぱり、私服のときのお前は可愛いな。制服のお前はあんなに地味なのに。いやでも可愛いけどさ」
春菜は学校ではいつも図書館で本ばかり読んでいそうな大人しい眼鏡っ娘地味娘なのだ。
それが私服に着替えるとあら不思議。たちまちアイドルもビックリな美少女に変身するのだ。
「むぅ。自分の彼女を地味地味言う人初めて見たよ」
そう言ってぷくぅと頬を膨らませて怒る春菜。やべぇ、可愛い。
いい加減、春菜に萌えていないで本題に入った。
「さて春菜、まずは何に乗りたい? 今日はとことんおまえに付き合うから何でも言ってくれ」
少なからず春菜も通り魔事件のことが心配なはずだ。今だけでも幸せな気分にしてあげないとな。
「う~ん、そうだね。じゃあまずはメリーゴーランドで」
いきなりそれとかどうかと思ったが春菜が良いと言ったから仕方なく付き合うことにした。
この歳でメリーゴーランドって・・・。ちなみに俺は一六歳で高校二年生である。
それから俺と春菜は夕方まで遊園地ライフを満喫した。



そして日が沈み始めてあたりが暗くなり始めてきた。
一日中春菜に振り回されてもうクタクタだった。まあ楽しかったけど。
俺は近くにあったベンチを指差し休憩を提案してみた。
「今日はたくさん遊んだね」
と春菜は疲れを知らない笑顔を向けてくる。
「おまえ今日一日ずっと動き回ったのに、まったく疲れてない顔してるな」
素直に言ってみた。
「そんな! 遊びに疲れただなんて遊べない人達に失礼だよ」
まあそういうことらしい。
「でも、ありがとね龍二君。今日一日、とても楽しかったよ」
そう言って抱きついてくる。
俺はそっと春菜の小さい頭を撫でてやる。
その時だった
「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーー」
悲鳴が上がる。
「な、なんだ?!」
「龍二君もしかして・・・」
その一言で春菜が言いたいことが分かった。
出たのだ、としまえんにあの通り魔、いやあれはもう通り魔なんてもんじゃない、殺人鬼が。
「まじかよ。逃げるぞ! 春菜!」
俺は春菜の手を掴んで走り出す、悲鳴とは反対の方向へ。
だがそれは叶わなかった。
『リアルバトルシステム起動』
俺と春菜のRDSが同時に起動する。
そう、あの殺人鬼に勝負を仕掛けられたのだ。
「くっそ」
俺は嘆く、嘆く嘆く嘆く嘆く。
もう逃げられない。
戦うしかないのだ、あの殺人鬼と。春菜を守りながら。
「龍二君・・・。わ、私・・・、私・・・」
泣きそうな顔で腕を掴んでくる。
「もうこうなったらやるしかない。春菜、後ろの方で隠れていてくれ。俺がやつを倒す!」
もうやるしかなかった。やらなければ待つのは死のみだからだ。
正直、勝つ自信は全くなかった。だが、やるしかない。
今は春菜がいる。俺は春菜を守るために絶対に勝たなければならないのだ。俺は春菜のセイバーだからな。
俺は武器レジェンドの力を使い長剣を召喚した。
「うわ、まじで現実世界でレジェンドの力が使えやがる」
そしてじっと、もう暗くなってしまった景色の先を見つめる。
そして暗闇の奥に何か動く者の気配を感じた。
その気配は一直線にかなりのスピードでこっちへ向かってきた。
「来やがった・・・」
向かってきた者から斬撃が繰り出される。
「これは・・・、刀か」
それを防ぐように俺は剣を合わせた。
刀と剣がぶつかる甲高い音が響き渡る。どうやら初手は防げたようだ。
そこで初めてその殺人鬼の姿が目に入る。あたりは暗くてもう良く分からなかったが。格好は明らかに侍だ、どこからどう見ても侍にしか見えない。この侍が今、都心を騒がせている殺人鬼の正体だった。
「ちっ、本物かよ。新宿にいたんじゃなかったのか? ここは練馬だぜ?」
と愚痴ってみる。
「くっくっ。この一撃を止めるとは中々やる。貴様はこのオレを楽しませてくれるのか?」
殺人鬼が初めて口を開いた。もうこの一言で十分わかる。こいつは狂ってやがる。
「さあ、始めよう。楽しい楽しい殺し合いを」
再び斬撃が放たれる。
それをできるだけ最少の動きで受け流すように捌く。
「やっぱり強いな。何ていうかな、速いし重い。普通刀でこんな重たい斬撃打てないぜ」
そう言いながら、繰り出されてくる斬撃を受け流すように捌き続ける。
まともに受けていたら力負けするからだ。
「だけどずっとこのままでも勝てないよなぁ」
殺人鬼の刀を捌く、そしてその瞬間、思いっきり踏み込んで斬りかかる。
それを当然のように殺人鬼は刀で防ごうとする
「残念。これを待ってたんだよね」
剣と刀がぶつかる。その瞬間体を浮かし相手の斬撃の反動を利用して後ろに飛ぶ。
「風のレジェンド起動。お前相手に接近戦は無理だわ」
空中で剣を十字に切る。そのとき発生する風をレジェンドで増幅させる。
「ソニックグランドクロス!」
十字のソニックウェーブが走る。
「むう・・・・」
殺人鬼は上段構えをし
そのままソニックグランドクロスを叩き斬った。
「ま、まじかよ!?」
と同時に着地する。
「これがダメだったら本当にどうするか考えないとな」
剣を自分の目の前でくるくる回転させて剣の周りに風を作る。そしてその微風をレジェンドが増幅する。
だが殺人鬼もこっちに向かって駆けだした。それもものすごい速さで、だが
「遅い、零ストーム」
剣を殺人鬼に向け思いっきり突き出した。と同時にものすごい速さで風の渦が殺人鬼を襲う。
だが、
「時計周りか」
殺人鬼は右上へ飛び、渦の一番高いところを斜めに斬りつける。そしてそのまま渦の反動を使ってさらに右へ飛び範囲外へ逃れた。
「冗談だろ・・・」
それはもう本当に冗談ではなかった。普通の人間では絶対に避けれないレベルの技なのだ。威力を犠牲にし攻撃スピードと攻撃範囲をギリギリまで上げた技なのだ。それなのにやつは避けやがった。
「あの動き、やっぱどう考えても普通じゃねぇよなぁ。てことは何か理由があんのかな? 例えば・・・」
とそこで考える。そもそもレジェンドの装備数には限りがあって同時に4つまでしか装備できない。
それでその4つを有効に使って闘うのだが・・・。そこで俺は奴のレジェンドの構成を考えてみた。
「まずは武器レジェンド『刀』だ。これは外せない。そもそも武器レジェンドないと素手で闘わないといけなくなるからな。じゃあ残りの3つは何だ?」
そう言ってる間にも殺人鬼はもう目の前までせまって来ていた。
「なら、ちょっとカマかけてみるかな」
そう言いつつ風レジェンドを外し新たに能力レジェンド『力』を装備した。
そしてわざと力勝負に移行させる。
剣と刀がぶつかりそのままもつれる。
「お前さっきから刀でしか攻撃してこねぇけど、まさかそれしかできないとか?」
カマをかけて相手の反応を探る。
「だからどうした? 遠距離なんて邪道だ。オレは自らの手で殺してこそ快楽を得る」
カマだったが素直に答えてくれた。これでこいつのレジェンド内容がはっきりした。
「そうかい。ありがとな」
相手の刀を弾き再び間合いを空ける。
「今のが本当ならやつのレジェンド構成は武器レジェンド『刀』に能力レジェンド『全』3つか『力』と『速』の組み合わせあたりか?」
これで分かった。殺人鬼の装備は物理特化で特殊攻撃の類が皆無というわけだ。
だからといって特殊攻撃でさらに回避が困難な零ストームが避けられるというわけではないのだが。
「特殊攻撃特化で組んでもあんまり意味ないと思うからここは一か八かで」
そう言って武器レジェンド『長剣』以外を全て能力レジェンド『速』に換える。
「火力は捨てる。スピードで奴を仕留める」
殺人鬼の装備が前者であろうが後者であろうが『速』×3の構成についてこれるはずがないのだ。『全』は全ステータスが上がるが伸び方は単一能力上昇より劣るからな。
その間にも殺人鬼は距離を詰めて襲いかかってくる。
「行くぜ、この変態やろう!」
そして一気に駆けだした。そのまま殺人鬼の真横に飛び斬撃を放つ。
「その腕貰った!」
しかし殺人鬼は信じられない速度で斬撃を弾いた。
「ちぃ、だったら」
さらに回り込みながら斬撃を放ち続ける。
「くっくっくっ。いいぞ・・・いいぞお!」
しかしその斬撃を全て弾き返す。
「ウソだろ・・・。あり得ねぇ・・・。だって俺は『速』3つ装備してるんだぞ、その俺についてこれるなんて・・・」
それはもう本当にありえない状況だった。
「くっくっ。確かに普通じゃありえない。だがオレは普通じゃない」
暗い笑みをもらしながら続ける
「確かに、お前の言うとおりオレのレジェンドは『刀』に『全』だ。だがなお前は一つミスをした。くっくっ、それが何か分かるか?」
俺は愕然とした。そうだ俺はある条件の元、この推理を立てた。その条件は

自分と相手のレジェンドのランクが同じであること

そもそもレジェンドの中にはランクがあって、そのランクがそのままレジェンドの強さになっている。
例えばCランクの武器レジェンド『長剣』とBランクの『長剣』があったとすると、強度的にも軽さ的にも殺傷能力的にもBランクの方が上である。
そしてランクはD~Aまであって世界にはレジェンド オブ レジェンドと言われている世界に一つしかないSランクも存在すると言われている。
俺は市販されているレジェンドの中で最高ランクのBランクのレジェンドのみを使用している。高校生の小遣いじゃ結構高価な物なんだがな。
だがその上に神谷コーポレーション主催の公式大会で上位者に贈られるAランクの非売品レジェンドがあるが、俺はそれを完全に無視していた。
ということはだ・・・
「ま、まさか・・・。お前のレジェンドは・・・」
「そうだ、全てAランクだ」
通りで、通りでこいつは今まで百戦錬磨だったわけだ。4つ全てをAランクで固めてるんじゃいくら考えてもBランクじゃ太刀打ちできない。
これはやる前から俺の敗北は決まっていたというわけか・・・。
俺は死を覚悟した。もう勝ち目はないと。
その時、後ろから声が聞こえた。
「龍二君! ダメ! 諦めないで!」
春菜が必死に叫んでいる。
そうだ。俺には春菜がいる。守るべき者がいる! なら、こんなとこで諦められるかよ!
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
集中力を高めろ、まだだ、ここからだ。
今の俺がやつに勝てる可能性があるとしたらこれしかない。

入るんだ『ゾーン』に

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
龍二は集中力を最大まで高め、『ゾーン』に入った。
「なんだ? 雰囲気が変わった?」
殺人鬼は咄嗟に刀を構える。
その瞬間
刀と剣がぶつかり甲高い音が響いた。
「くっ、早い」
しかしその瞬間には龍二はもう殺人鬼の背後に回り込んでいた。
そして龍二は剣を振り下ろす。
だが殺人鬼も難なくそれに反応し刀を切り上げ、龍二を弾き返す。
龍二は弾き飛ばされたが、その宙に浮いている状態で
「零ストーム」
至近距離からそれを放った。
そのあまりの速さに殺人鬼は反応できない。
「ぐああああぁぁぁぁぁ」
殺人鬼は零ストームをもろに食らってしまう。
さらに龍二はいつの間にか装備していたBランク風レジェンドを使って空中で静止し、両足の裏から風を一気に放出して殺人鬼を追尾した。
「これで終わりだ」
龍二は腕から剣先に向かって風をジャイロ回転させ、威力と速度を増した突きを放つ。
その突きが殺人鬼の心臓を捉えたが、殺人鬼は一瞬体を捻りそれを避けようとする。
しかし、その突きのあまりの速さに避け切れず、突きは殺人鬼の左腕を貫いた。
「ぐうおぉぉ」
さらに龍二は左腕を貫いた剣をそのまま左へ切り払おうとする。
しかし、突きの負傷にも怯まず、殺人鬼は龍二の突きにカウンターを当てていた。
鮮血が飛び散る。
殺人鬼の刀が龍二の腹を切り裂いたのだ。
「がはぁ」
龍二は地面に膝を付いてしまう。
しかし殺人鬼の左腕は致命傷にはならなかったようだ。
その殺人鬼が口を開く。
「そうか、理解した。今のあの鬼迫、貴様があの『鬼神』だな? なるほど、これが鬼神の力か。オレは運が良い! こんな化物と殺し合いができるなんて!」
そして殺人鬼は剣を振り上げる。
「『鬼神』相手に左腕1本で勝てるなら安いものだ。この勝負、オレの勝ちだ!」
そして殺人鬼は剣を振り下ろそうとした、その時だった。
「ぐぅう」
後ろから火の玉が飛んできて殺人鬼に命中した。
声がする。春菜の声だ。
「龍二君! 逃げて!」
そしてそのまま魔法を詠唱し始めた。
「我、焔の弾を具現する。ファイアーボール!」
春菜の頭の上に8つの火の玉が現れ、殺人鬼に飛んでいく。
だが殺人鬼はそれを全て叩き落とす。
「貴様! オレの邪魔をするな!」
殺人鬼は春菜に向って駆けだす。春菜を殺すつもりだ。
「ばっかやろおおおおおおおおお!」
俺は全速力で駆けだす。風レジェンドの力で加速して駆けだす。切られた腹から血が吹き出ているのもお構いなしに本気で走る。
殺人鬼が刀を振り上げる。ダメだ、間に合わない。このままじゃ・・・
「くそがあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
殺人鬼の刀が振り下ろされる。
そして・・・。
俺は春菜を抱きかかえ飛ぶ。しかしそれと同時に、殺人鬼の斬撃が俺の背中をえぐった。
鮮血が飛ぶ。背中が熱い。燃えるように熱く痛いのかどうかすら分からない。
俺は春菜を抱きかかえたままその場に倒れこむ。目の前が真っ赤だ。だがそれも徐々に色を失っていく。もう血の色が黒にしか見えなくなった。
そうか、俺は死ぬのか。
「なぜだあああぁぁぁ。なぜ貴様が死ぬ! オレは邪魔者を消そうとしただけなのになぜ獲物が死ぬ!」
殺人鬼が叫んでいるのが聞こえる。だが今となってはもうどうでもいい。
「春菜・・・」
俺は春菜に最後の力を絞りとって言う。
「良いか? よく聞け。俺を蹴り上げあいつにぶつけろ。今のあいつならかなりの隙ができるはずだ。それに乗じてお前は逃げるんだ。お前はこんなところで死ぬんじゃない」
俺は春菜を逃がすことで必死だった。しかし春菜は
「できないよ。私はあなたが傍にいるから幸せだった。私はあなたから離れたくない! 例えここで一緒に死のうとも」
春菜は泣いていた。俺の胸の中で泣いていた。
「ふざけるなよ。約束しただろ? 俺はお前を守るセイバーになるって。最後くらい俺にカッコいいことさせてくれよ」
「それは私の本望じゃない。私はあなたと一緒に生きたい。あなた無しの人生なんて私はもう、耐えられないんだよ」
春菜の想いが俺の胸を伝いひしひしと伝わってきた。そうだったな、お前は・・・。
「分かったよ。ごめんな春菜。俺はもう、お前を放さない」
俺は春菜を強く抱き締めた。強く、強く。春菜の体の骨が折れるんじゃないかってくらい強く。
そこで殺人鬼が動いた。
「くそがあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
殺人鬼が刀を振り上げた。
そして俺と春菜を・・・・・・・・・・・串刺しにした。
刀が俺と春菜を貫通して地面に突きささる。
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
殺人鬼が自らの首を隠しナイフで切り裂いた。
その場に崩れ落ちる。
殺人鬼は自害したのだ。
体が冷たい。息もできない。苦しい。前も見えなくなった。
春菜を抱き締めていた腕に力が入らなくなった。
「ごめんな、春菜。あのとき約束したのにな」
春菜は何も答えない。
「『お前はもう泣かなくていいんだ。悲しまなくていいんだ。俺がそれらから守ってやる』って。だが、俺はお前を守れなかった。本当にごめん。俺に、俺にお前を守れる力が無くて」
そこでやっと春菜が口を開いてくれた。
「ありがとう。龍二君。大好きだよ」
ただそれだけを伝えて息を引き取った。
俺の瞳から涙が溢れてきた。春菜、春菜、春菜!
俺の大好きな春菜。俺の女神であった春菜。俺の傍でいつも微笑んでいてくれた春菜。
俺は、俺は!
「春菜・・・。俺はお前を愛してるよ」
俺は最初で最後の愛の告白をした。
そして、俺は息を引き取った。










なあ、もしこの世に神様なんてものが居るんだったらさ、もう1度、俺にチャンスをくれよ。今度は絶対にこの手を離さないからさ。
俺の肉体だろうが精神だろうが、魂を懸けてもいい。まあもう死んじまってるけどさ。だけど俺にもう1度チャンスをくれ! 俺は、俺はあいつを、春菜を幸せにしてやらないといけないんだ!



後書き

如何でしたでしょうか?
何かもうプロローグですでに主人公とヒロインが死んでいますが、もちろん伏線です。
プロローグで死んでるのに本編どうするの?っていうそこの貴方! それは第1章を読んでのお楽しみなのです。
期間が1年あるので欲を出して第2章まで完成させたいですね。
それではまたお会いしましょう。
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